2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

都市と学生

干支ひと回り分以上、京都に住んだ。たまに東京に帰ると明らかに都市の組成が異なることに気づく。ここは時間が堆積して出来ている町。一方、東京では空間があちこち都合よく圧縮されている。そのほころびも、そこここにはみ出している。かつての求心力こそ…

四旬節

今日、灰の水曜日から四旬節が始まる。 写真はおととしBaselにて遭遇したBummel-Sontagの鼓笛隊。Bummel-Sonntag とは、謝肉祭が過ぎた後でも、仮装はせずに街の中で謝肉祭の演奏を行っても良い日曜日。四旬節期間中に何回かある。日曜ごとの小太鼓の響きと…

Faschings-Dienstag

今日は謝肉祭最終日。今頃ミュンヘンではお祭り騒ぎがクライマックスを迎えていることだろう。老若男女が思い思いの仮装で街に繰り出し、無礼講を楽しむ。音楽と、踊りと、喧騒と、酒。広場も道も、地下鉄の中までも、舞い散る紙吹雪がふりつもるので足をと…

戻りました。

学生街の喫茶店

ミッション・スクールの個人研究と並行して、ここ数年、共同研究で「学生文化」のリサーチをしている。 学生文化を特徴づけるひとつの指標に「学生街」がある。必要条件は、 ・ 数時間ねばれる喫茶店がある。 ・ 本屋および古書店がある。 ・ 安い食堂、安い…

明日より出張

週明けには戻ります。

品格と顔

「品格」や「模範」、「理想」、「美」が創造されていく過程は、その反対の極にある、品位の無いもの、低いもの、醜いものを点検排除していく過程でもある。 醜悪なるものの定義は、しばしば「美」の描出よりはるかにリアルで具体的だ。 キーンの『敵の顔』…

正統派左岸的学生文化継承型お好み焼き

本Weblogは、趣味や私的記述は一切禁欲すると決めて始めた。従って本日のエントリ内容も、断固としてそのルールに則っているのデアル。 百万遍界隈にお好み焼き店は少なくない。しかし、Kのような餅チーズも無ければ激辛ヴァリエーションも無い、Nのように小…

「品格」ってなに?

朝日新聞2009.2.15.OPINION耕論:コラムニスト・泉麻人、ジャーナリスト・桜井よしこ、日本語学者・金田一秀穂からの聞き取りをまとめた記事。三者三様のコメントをこじんまりまとめたといった感じでインパクトは特に無い。が、気になったのは、品格という言…

出町柳

★ 中央公論新書『ミッション・スクール』訂正一覧

○40頁10行目<誤>(現・北陸学院)→<正>八字削除 ① 〇66頁10行目<誤>浄土真宗大谷派→浄土真宗本願寺派 ⑤ ○98頁後から2行目<誤>はすな→<正>はすっぱ ○100頁5行目<誤>校長でもある →<正>でも重きをなしていた ② ○140頁表12、6行目<誤>勉強・…

謝辞

下記、★『ミッション・スクール』訂正箇所につきましては、それぞれ次の方々から貴重なご教示を賜りました。① 北陸学院ポーター研究所齊藤幸子さま ② 宮澤正典さま ③ ルーテル学院中学高等学校寺沢始さま ④ 三育学院さま ⑤ 野田宣雄先生 ご指摘、誠にありが…

乞うご指摘

ミッション・スクール (中公新書)作者: 佐藤八寿子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/09/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 41回この商品を含むブログ (32件) を見る当Weblogをたちあげた目的の中でも優先課題上位に位置していたのが、本日のent…

St. Valentine's Day

第2バチカン公会議後の典礼改革で、実在が明らかでない聖人たちが典礼暦から整理された際、2月14日のウァレンティヌスの記念日は取り除かれた。このため現在、カトリックでは祝日ではない。 また、イスラム教原理主義のサウジアラビアでは、全面禁止されてい…

みごうしゃ あるいは 女学問

昨夜芝居帰りに頭の中を廻っていたことば、「みごうしゃ」。 見巧者、と書く。巧者とは、たくみなる者、で、見巧者はすなわち、見ることの巧みなる者、の意。専ら、芝居の通人などに用いる褒めことばだ。 私がこの言葉を初めて知ったのは、大学時代の『源氏…

社交場としての歌舞伎座

歌舞伎座での御見合、で思い出したが、三島由紀夫『春の雪』にはそういう時代の雰囲気がリアルに描かれた場面がある。三島自身、歌舞伎座で御見合をしている。お相手は現在の皇后陛下。 行定勲監督の映画では、今大河ドラマで主役をはっている妻夫木演じる主…

贅沢

本日はまさしく rive droite 的一日。 友人主催の研究会のスピンアウト企画にて(感謝!)大阪へ。花形歌舞伎を見物。(オペラなら「鑑賞」だが芝居はやはり「見物」といきたい)。その後、丸福珈琲店にて感想を交えて歓談。歌舞伎はもちろんのこと、コンテ…

評価

成績評価提出の締切が迫っている。今日はその確認作業にあてる予定。昨今大学では、昔ながらの教員の評価だけではなく、学生側からの授業評価教員評価の実施が一般化している。しかし現場では(周知のとおり)その意義について疑問視する声は小さくない。も…

品格教育

土日をおいて、品格のつづき。品格ブームや論争は、品格そのものが流行したのでも議論されたのでもなく、専らそれが欠けている/無い、ところから発していた。そして、それらの言葉がより多く紡がれていくにつれ、中空にあったイメージはより具現化され実体化…

作業

当研究室への引越のため、旧HPのDataやFileの整理。終日、埃をはらったり、紐でしばったり、捨てたり。

気づけば

夕方

constructiveな時代?

さて、「品格」。 相撲界だけではない。いわゆる「品格」ブームは、2005年刊の『国家の品格』(藤原正彦、新潮社)が火つけ役とされる。翌2006年、「品格」は流行語大賞を受賞し、類似本の出版が相次いだ。2008年4月当時、東京の大型書店には「品格」をタイ…

相撲の品格

節分立春にひき続き、折角なので「和」の話題。 力士のガッツポーズやトレーナー姿が顰蹙を買っているが、ニッポンの国技たる相撲界で「品格」が取沙汰されるようになって久しい。このニッポンの「品格」問題は、世代論だけではなく、もうひとつ、国際化とい…

立春大吉

袖ひちて むすびし水の こほれるを 春立つ今日の 風やとくらむ

吉例 節分行事

今日は節分。京都の神社仏閣はさまざまな催しで賑わうが、祇園には「お化け」と呼ばれる行事がある。これは何かに扮装して練り歩く厄除招福の風習で、現在は花街にのみ残っている由。まだ足を運んだことは無いが、きれいどころがうち揃って、普段とは違う姿…

なぜHatenaを選んだか

Weblogを立ち上げるにあたり、友人知人や有名人のものを参考にしたり、具体的に勧めて下さる方もあったり、で、いくつかの選択肢で一応迷いはしたのですが、比較的あっさりHatena Diary に決めました。 理由は、至って単純。 昨年秋の「NHKスペシャル/デジ…

『大衆の国民化』

Slow and steady 丑年ですしね。わずかながらも、極力休まず、なかみを書いていきます。 とりあえず、古いところから。 ノンフィクション・歴史・古文書の出版社 - 柏書房 ジョージ・モッセ著 『大衆の国民化:ナチズムに至る政治シンボルと大衆文化』 柏書…