出でよ、王子

昨日調査出張。日本青年館訪問。共同研究の主題である「青年の主張」をめぐり、日本青年団協議会でお話を伺い、図書資料室所蔵の昭和時代の資料を閲覧させて頂く。

久しぶりの一次資料調査に心湧く。


貴重なお話、貴重な資料の閲覧をお許し下さり、心より心より感謝。


それにしても、
すべてがワンクリックで手に入るかのような時代の到来を、我々はつい錯覚しがちだけれど、書庫には眠ったままの紙のお宝が実は山積しているのだ。かつて「いけす(図書館)に魚(資料)はあふれているのに誰も釣ろうとしない」と嘆いていた教授がいらっしゃったことを思い出す。勘違いをした不慣れな漁師はやみくもに大海(フィールド)に船を漕ぎ出そうとするが、その間に折角のいけすの魚はどんどん弱っていく。実際、閲覧させて頂いた半世紀ほど前の新聞は、紙の痛みも激しく、頁を繰るにも細心の注意を要した。王子のキスを知らぬまま、眠れる姫君がどんどん老いて行ってしまう不安にかられる。


出でよ、若き王子達よ!