学生の変容、その4。トイレ弁当とフィリップ・マーロウ

本日の天声人語に、大学生のトイレ弁当にもふれた部分が。

友人とはなんぞや、の答えは色々だろうが、臨床心理学者の故・河合隼雄さんの著作中にこんなのがある。「夜中の十二時に、自動車のトランクに死体をいれて持ってきて、どうしようかと言ったとき、黙って話に乗ってくれる人」(『大人の友情』)。なかなか刺激的だ(中略)
せっかく入った大学を、友達ができないからと中退する学生が増えているという。このため、いくつかの大学が「友達づくり」の手助けを始めたそうだ▼学生たちは、友達がいない寂しさより、いない恥ずかしさに耐えられないのだという。「暗いやつ」と見られたくない。周囲の目が気になって学食で一人で食べられない。あげくにトイレで食べる者もいるというから驚かされる。(以下略)
朝日新聞2010.09.17.)
http://www.asahi.com/paper/column.html

「自動車のトランクに死体」をのくだりで連想されるのは、レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』。これぞ、男の友情、「かっこいい」とはこのこと、
と、するならば、トイレ弁当は最悪に「かっこ悪い」。
若い人にはまっとうな美意識をこそ身につけて欲しいものだ。
(もちろん犯罪幇助など推奨しているわけではありません!)

村上訳も出てるんですね。