学生の変容、その2

学科試験を課さないAO入試を廃止したり、募集枠を縮小したりする大学が相次いでいる。AO入試は、少子化で大学同士の学生獲得競争が激化するなか急増してきたが、さほど受験勉強しなくても大学に入れるため、学力低下を招いているとの指摘もある。入学後、授業についていくのに四苦八苦する学生もおり、大学側の見直しに拍車をかけているようだ。(朝日新聞2010.9.10.)
http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201009090057.html

質を確保したい大学としては当然の流れ。しかし、18歳人口の半数が大学進学するようになっている今日、すべての大学進学者に対して1970年代同様の一律試験のみというのも実情にそぐわなくなっている。つまり、

私立はまともに学力を問うと、受験生が逃げていく恐れがあり、経営が成り立たない。高校の成績の評定平均値を参考にする方式に落ち着くのではないか」と予想する。(河合塾教育情報部の富沢弘和チーフ)(同記事)

高校訪問をしていたとき、とある高校で入試方法について説明しようとしたら
「あ、いや、うちの子たちは指定校推薦(無試験)以外では大学にはいけませんから」
と言われたことがあった。その他の入試方法の説明は不要(!)。問題は、大学側と高校側のそれぞれの希望する「評定平均値」のせめぎあい、というより、すりあわせ、のみとなる。
そうして大学に進学してきた学生の多くが、俗に高校4年生と呼ばれるような新しい集団を形成することになる。