発達障害の大学生

実際目の当たりにしている。今後も増えるに違いない。

京滋の大学、発達障害の学生支援―学内連携や情報交換
対人関係で生きづらさを感じる「発達障害」と診断される大学生が増えている。中には、障害を自覚せぬまま、単位が取れずに退学したり、就職面接で壁にぶつかるケースも。京都大など各大学が支援を模索している。
発達障害は脳の機能障害で、アスペルガー障害などの広汎性発達障害注意欠陥多動性障害ADHD)などがある。アスペルガー障害の場合、一般的に人との距離を取ったり、意図をうまく言語化する経験を積めていない場合がある。周囲が障害を理解し、適切に支援することが求められる。
関西の各大学では長年、身体障害者の支援に力を注いできた。しかし近年、
▽集団で行う実験やゼミで単位が取れず退学・休学する
▽他学生や教員とトラブルが絶えない
▽就職活動の面接で毎回つまずく
−といった学生が増え、背景に発達障害の存在が浮上した。
日本学生支援機構の2008年度調査によると、発達障害と診断された大学生は全国で299人と前年度より121人増え、障害のある学生の4・8%を占める。
京都大では08年4月に身体障害学生相談室を設け、カウンセラーや各学部などと連携し、学生からの相談を通じて障害の把握に努めてきた。本人から申し出があれば学内で情報を共有し、▽接点がある教職員や学生に理解を要請▽アシスタントを付けて実験科目の履修を助ける▽就職に備えて面接対策を行う−などを行っている。現在、広汎性発達障害と診断された6人を支援中で、当事者同士が語り合う自助会も昨年から試験的に始めた。
大学教職員が集う情報交換会「関西障害学生支援担当者懇談会」は3月、発達障害を初めてテーマに取り上げた。同志社大など京滋を含む36大学が京都市内に集まり、ADHDの娘が大学に通っている母親の話を聞いた。座長の石田久之・筑波技術大教授は「発達障害は一人一人異なる支援が必要で、大学全体で取り組むべき課題」と話す。
京都新聞【 2010年07月09日 10時07分 】