今日は何の日?

yasmins2009-09-08

今日9月8日は、サンフランシスコ講和条約が締結された日。1951年、第二次世界大戦における連合国諸国と日本国との間で、戦争状態を終結させるため結ばれた。この条約をもって日本は完全な主権が承認され、ここに国際法上正式に日本の戦争が終わった。
つまり、終戦の日は、実は8月15日ではないのだ。ポツダム宣言受諾の1945年8月14日、国民向け「玉音放送」が流れた8月15日以降も戦争状態は継続していた。現に、ソ連が千島列島で攻撃を開始したのは8月18日で北方領土を占領したのは9月、ミズーリ艦上で日本が対米降伏文書に署名したのも、中国の日本軍降伏も、シンガポールも9月、台湾では10月だった。翌年以降も在外邦人の復員、米国の進駐は継続していた。
詳細は佐藤卓己八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)』を参照のこと。


さて、終戦の日については、カトリック信者の間にかなり有名なフォークロアがある。
日本に初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルが、鹿児島に上陸したのが1549年8月15日のことだった。8月15日は「聖母マリアの被昇天の祭日」にあたる。ザビエルは日本を聖母マリアに捧げた。(そんな、勝手に捧げられても、と、思われるかもしれないが、悪しからず。)その日から日本は聖母マリアの国になった。
その後、日本国の歴史的大事と聖母の日がなぜか符号している、という不思議。
2月11日の「建国記念日」(紀元節1873年制定)は、「ルルドの聖母の祝日」。12月8日の真珠湾攻撃による開戦の日は、「無原罪の聖母マリアの祝日」。カトリック諸国ではやはり国民の祭日になっている。上記8月15日「聖母マリアの被昇天の祭日」は、誰もが知るいわゆる「終戦記念日」。

という話を、年配の婦人やシスターから口伝えに聞いたのが、もう30年ほど前のこと。単なるフォークロアだろうと思っていたら、今、ちょっと調べてみたところ、公式サイトにもちゃんと載っていたので少々吃驚致しました。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/memo/maria.htm

おや、本当の「終戦の日」は8月15日ではなく、今日9月8日なのでは? はい、上リンク先にも書いてありますとおり、本日9月8日は、聖母マリアの誕生日なのです。



キリスト教でもカトリック教会の中には、ナショナルな語りとの非常に強いつながりがあるのが面白い。カトリシズムの現地主義と日本の八百万思想が、どこか似た部分をもっていたからこそ、「日本のミッション・スクール」という独特な学校文化が生まれたのではないだろうか。

写真は前期出講していた京都のミッション・スクールにある聖母子像。