それはないでしょう、ルーマンさん。

前期最後の教育社会学で2回にわたり、ニクラウス・ルーマンをとりあげた。「ミーイズム」やベックの「リスク社会」、それから小泉以来の「自己責任」などのキイ・ワードをも参照しつつ、現代社会における個人の「生きにくさ」について、ひとつの解釈として機能システム論を紹介。
しかし、社会がさまざまな機能システムから成る、まではいいけれど、その各システムの「メディア」「コード」云々となると、抽象度が高くてなかなか理解が困難らしく、どうしても学生のポカーン顔が増えてしまう。「コインや紙幣」と「貨幣」概念の位相の相違などを例に、地道に「メディア」概念の説明に努める。
が、それにしても、そのオチが結局のところ「自分が自分を作りださねばならない」、「心(意識システム)」がポイント、って、それではあまりにもベタではないでしょうか? 案の定、『そんなこと、別に小難しい理論を聞かなくったって知ってるし』的無言の反応が返ってきたように感じたのは、私だけでしょうか、ルーマンさん。