今日、山鉾巡行

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京都祇園祭のハイライトである山鉾巡行
応仁の乱で中断を余儀なくされていた巡行が再開された1500年、かつては巡行の先陣争いが絶えなかったことから、「くじ」によって巡行の順番をさだめる「くじとり」が始まったとされている。やがて公会堂の役割を担っていた六角堂で「くじとり式」が行われるようになったらしい。江戸時代の「くじ」には京都所司代の花押が残っている。明治期には初代京都市長が「くじとり式」に立ち会った。今も、毎年7月2日に、京都市役所にて「くじとり式」が行われる。そして今日、巡行にのぞみその順番が正しい証として、各山鉾の代表(しばしば少年が務める)がその「くじ」を、奉行たる京都市長に見せる儀式がある。「くじあらため」だ。京都市長は古式ゆかしい烏帽子姿で「くじ」を確認する。
まつりとまつりごと。
政教分離日本国憲法にも明記されている。しかし、祭政分離は必ずしも実態として厳密に実行されているわけではない。町衆が主役のこの祭礼と、京都所司代以来の行政府とのかかわりは、やはり昨日今日分離するほうがむしろ不自然にも感じさせられる。むろん、近代人のロジックとしては、これは宗教ではなく、市として振興すべき観光行事であり習俗である、ということになるのだろうが。
近代的システムがいかに暫定的なものでしか無いか、実感させられる場面だ。


京都市役所市議会場で執り行われる「くじとり式」の様子↓
http://www.doco-ico.net/kyoto/sightseeing/course/gion/detail02.html