フェア、説明会の季節

「少しでも関心のある方は、この機会に『大学院で何を学べるか』を是非聞きに来てください!」
と書かれた大学院説明会のポスターを初めて見たときは軽い驚きを覚えた。
調べてみると、大学院の説明会は、今日ではもう珍しいものでもなくなっているらしい。遅ればせながら、我が出身大学院でも先日初めての「説明会」を実施したと聞いた。

「とりせつ」が取扱説明書の略と知ったのはつい先頃だった気がする。私自身、「マニュアル世代」と呼ばれたおそらく最初の世代にあたっているのだが、中等教育機関の「フェア」ならまだしも、大学院への「呼び込み」には個人的にはやはり途惑いを感じる。いずれにせよ、マニュアル第一世代が、今では「説明会」を主催する側に立っていることは間違いないだろう。そうしたマニュアル感覚から、どの程度の創造的研究が可能となるものなのか、正直、疑問を禁じえない。