ミッション・スクールの発表会

国の有形登録文化財になっている校舎の中の、これまたレトロな風情あふれる講堂。磨き抜かれたマホガニー調の床に、高天井。ぐるりを廻らせた中二階の木彫は落ち着いた珈琲色。臙脂色の緞帳を背景にシャンデリアがまばゆく輝いている。
本日このホールにて催されるのは中学2年生の「お作法の発表会」。1年生はお茶だったが、2年生になるとお琴である。居並ぶセーラー服の少女たちが「椅子」にかけてお琴に向う。写真には写っていないが、有志の和服姿も混じる。
各クラスの「雪はな」演奏の後、筝曲部による「琴変奏曲ニ短調」が始まって驚いた。どうしても私には洋楽にしか聴こえない。よく考えたら、タイトルも「ニ短調」である。和旋律ではない。和楽器による洋楽。ジェロの歌う、もとい、氷川きよしの歌うバッハを聞くような、不思議な違和を感じたのは私だけだったろうか。「琴変奏曲ニ短調」の作曲者と作曲年、原曲を知りたいものだ。

今日の体験は、つい昨日、某うちあわせで旧友と話しこんだ≪日本文化における「和」と「洋」≫の主題に、ものの見事にシンクロしていた。