芸術/政治

 今日は書き仕事。余り進まず。

 昨日の一冊。10日ほど前、ミッション・スクールで邦楽の発表会を聴いたちょうど前日に、京都国立近代美術館にて入手していた。巻末解説(古田亮)によると、「洋画」「日本画」というカテゴリ概念は前近代にはなかったそうだ。当然といえば当然だが。
 「日本/西洋」とか「芸術におけるナショナリズム」とか言ってしまうと、非常に月並みな主題になってしまうのだが、モッセは一般市民の美意識、趣味嗜好、日常感覚と直接結びつくものとして政治のダイナミズムをとらえた(=参加の感覚による「新しい政治」。参照:とてつもない売れ行き - 佐藤研究室@rive droite)。
 この画集を眺めていても、芸術というカテゴリと、日本という(ある意味、とても政治的な)概念が凝固してくる時期が見事に重なっていることがわかる。